「ケケケケケ。お前等はこの俺様に食われて死ぬんだよ。あいつ等同様にな!」
存在証明
迫る虚に、残った檜佐木とが逃げる。
なぜ急に能力が上がった?
何故急に・・・
そんなことな考えが檜佐木の頭によぎったものの、この場は引くしかないと、逃げることしか考えることができない。
「チッ。オイも叫ぶ。
「ハ・・・ハイ!!」
そう言った隙をつかれ、虚の触手が檜佐木の首を捕らえる。
「グ・・・」
締め付けられ、頭に血を上らせながらも、斬魄刀で切ろうとする檜佐木に更に二本目の触手が巻きつく。
「檜佐木さん!」
・・・逃げろ・・・こいつは・・・・・・お前じゃ・・・」
動きを封じられ、意識が朦朧としていくなか発せられた言葉を最後に、斬魄刀が檜佐木の手から滑り落ちる。
そして、虚がこちらを向いて言った。
「こいつを食ってからでもお前は倒せる。ケケケ・・・」
そこで虚の言葉が止まる。
シン・・・
と、静かな霊圧が一瞬通り過ぎた。
逃げようとしていたさっきまでの死神は、そこにはいなかった。
「なんだ?貴様。大人しく観念したのか?それとも俺様に食われることを覚悟したのか?」
虚が近づいてくる。
「やりすぎだ」
「何?」
虚が聞き返す。
「お前は、やりすぎた」
今度はハッキリ聞こえたが、それでも虚は聞き返した。
「なんだって?」
「仲間を、殺しすぎだっていったんだよ。お前はな」
静かな声で言うに、虚は更に近づいて行く。
シン・・・と、少し探っただけでも分かる、静か過ぎる透明な霊圧。
銀糸の髪がその霊圧によって少しだけ揺れている。
虚は、一定の距離を保った。
それ以上、近づけない。
押さえ込まれている?
こんな・・・下級死神に?
そんなバカな!
「さて、浅打もどきの真似も、やめようか。」
静かに言うと、斬魄刀が変化した。
そして、虚をその静かな瞳ではっきりと捉えると、
 
 
「正式に己の部隊を言うのは、久しぶりですよ。僕は、九番隊第四席檜佐木隊の隊員及び、護廷十三隊零番隊隊長 
 
 
 
 
 
 
 
 
「八万一切後跡と為せ 森羅光玉」
 
 
 
 
 
 
 
 
「気が付きましたか?」
目が覚めると、救護詰め所に寝かされていた。
そして目の前には卯ノ花隊長が、心配そうにを見下ろしている。
「あ・・・はい」
「よかった。生き残ったのが檜佐木班長とあなただけですから。」
「他の皆さんは?」
そう言うと、卯ノ花は静かに首を振った。
「そうですか」
「東仙隊長は?」
「今、檜佐木さんのところに。あなたのところへは先程。全滅を免れただけでも良し。そう仰ってました。」
「そうですか。」
沈黙が降りた。
いつもならここで卯ノ花隊長は部屋を出て行く・・・はずだった。
だがそれをしない。
「あの、なにか?」
「あなたの傷、調べさせてもらいました。」
静かに卯ノ花は口を開いた。
「あなたの傷は、虚によってできたものではありませんね?全く別の霊圧を、あなたの傷から感じました。」
静かに、ただ静かに問う。
その傷が如何についたのか。
虚によって出来た傷ではないとするならば、一体誰がつけたものなのか・・・
「流石・・・ですね卯ノ花隊長。そうです。この傷は、僕が斬魄刀に命じてつけました。見破られたのは、初めてです。」
真っ直ぐに卯ノ花の顔を見て、静かに言う。
その言葉を聞いて僅かに目を見開くが、心は理解していた。
なぜか、彼女は『そう』だと感じたのだ。
だが、根のところでは理解していても、上の方では納得していない。
「そうでしたか。さん、あなたは一体何者なのですか。」
少しだけ厳しい目をしてを見る。
その視線を受けてが少しだけ笑う。
「内緒ですよ?僕は、草の隊の者。零番隊の人間です。といっても独りしかいない部隊ですから、別に『隊』と呼べる大仰なものじゃないんですが・・・」
少し照れくさそうに言うに、こうもあっさり自分の存在を明かした隊長?」
「あのー卯ノ花隊長、今の俺に『隊長』ってつけるのやめてくれませんか?」
「あら。どうしてですか?」
「だって・・・今の俺は・・・ただの平・・・」
ー!何サボってやがる!とっととこの書類片付けて来い!」
「は・・・はい!それじゃ卯ノ花隊長。また今度・・・です」
「はい、また今度ですね?」
ニコっと笑う隊長に、引きつった笑顔で返すと、
こら、サボるな!」
「は・・・はい。すみません」
急に来た檜佐木班長に驚く。
幸い話は聞かれなかったようだ、は判断した。
「卯ノ花隊長。いらっしゃったんですか」
隣にいる卯ノ花隊長に驚いたようだ。
「えぇ。少し君に用があったものですから」
と、ニコっとして言う。
「はぁ・・・」と檜佐木はそう答えるくらいしかできなかったが、そもそもなんで卯ノ花隊長が平であるに用事があるのか・・・
それはわからなかったけど、気にはなったけれど、でもなんとなく聞けないような気がした。
 
 
 
 
 
 
 
「そもそも、なぜ『草の隊』なのですか?」
用事が終わり、一息ついた頃に卯ノ花隊長はまたやってきて質問をしていった。
「それが僕の存在の理由だからです。」
「では、なぜ平隊員をずっと?」
「危険な任務があまり回ってこないからです。」
「なるほど。わかりました」
「それだけ・・・ですか?」
「えぇ。それだけです」
 
 
 
自分自身で決めたこと。
草で生きていこうと・・・
中から皆を守って見せようと。
実力を隠しつづけることなんて、何ら苦痛じゃない。
それが僕の存在につながるのなら、全然苦痛なんかではありませんよ?卯ノ花隊長。
なぜなら
それこそが
僕の
 
 
 
 
 
 
 
 
 
『存在証明』
アトガキ
存在を消して生きることは難しいので
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管理人 芥屋 芥