「おはようございます」
「あぁ」
「とりあえず、その……足と腕をどけてください。起きれません」
 絡まる足と腕にとりあえず不平をが告げる。
「……」
「リヴァイ?」
「なんだ」
「聞いてます? 足……」
「聞いている」
 答えるが、退かすつもりがないのか、の力ではビクともしない。
 それが分かってるが、諦めたようにため息を吐いた。
「とりあえず、朝日が昇る前に離してくださいよ?」
「……わかった」
Attack on Titan
13.幕間の笑い
 シュルという音を立てて、スカーフが主の首に巻かれていく。
 満足したのか、朝日が昇る前に離してくれたリヴァイの着替えを、は黙って静かに見守っている。
「後から行きます」
「先に行く」
 出される言葉はほぼ同時だった。
「わかりました。行ってらっしゃい」
「あぁ」
 そう言ってドアを閉め、下に降りていくリヴァイの靴音が遠ざかった頃、もまた着替えを始めた。



「おはようございます。兵長、グンタ」
「おはようございます、さん」
 グンタの返事に、が少しイヤな顔をし、指摘する。
「グンタ……まぁいいや。ところで、分隊長とエレンはまだ?」
 朝から文句も何だと思いなおしたが、言葉を途中で切り替えた。
 三人は、その誰もが開けようとしない食堂のドアの前で立ち話をしている。
 そんなの言葉に返事をしたのは、階段から降りてきたオルオだった。
「だな」
「そっかぁ。朝飯、どこで食おうか」
「……」
「外で食べるのは?」
 提案したのはグンタだ。
 リヴァイはそんな三人の様子を黙って見ている。
「それもいいな。それよりエルドとペトラは?」
「まだ寝てるのでは?」
「なるほ……おはよう、ペトラ」
 階段から降りてきたペトラの姿を素早く見つけて、が彼女に挨拶する。
「……おはよう、
「エルドは寝坊助だな」
 が告げると、ペトラの後ろからエルドが声を上げた。
「そうでもないです」
「知ってる。おはよう、エルド」
「……おはようございます。副長」
「それ嫌味?」
「人を寝坊助扱いする人には副長で十分です」
「悪かったよ」
「ならいいです」
 軽い笑いが起きる。
 兵士だからって、常に緊張していなければならない理由はない。
 だからこそ、こういう時間は貴重なのだが、それは軽く破られた。
「ハンジ分隊長はいますか!?」
 自分たちがいるドアとは反対側のドア、昨日ハンジが入ってきたドアが勢いよく開けられ、その声が六人の耳に届く。
「被検体が……巨人が、二体共殺されました!!」
 すぐに六人が兵士の顔になり、すでに動き始めているハンジと共に行動を開始する。
 馬を用意してエレンがフードを被り、被検体が置かれている現兵団本部の方まで八人で走る。
「……」
 自分が苦労して捕獲に成功した巨人が殺されたことに対して、は無言だった。
 ただ、厳しい目をして前を向いていた。
アトガキ
常に兵士じゃない
2026/03/27 up
管理人 芥屋 芥