「青柳清明?」「はい」「……誰?」 心当たりがないから誰という他ない。だが、次の軍曹の言葉で動きが一瞬止まる。「『嘱』にコンタクトを取ってきた人物であります、大尉殿」「マジか」「マジです。しかも、大尉ご指名で」 知られていないはずの『嘱』を知っていて、しかもご指名か…… メンドクサイなぁ……と思えど、一応部下の言葉を聞く。「……会った方がいいかな」「殺しますか?」「メンドクサイ。ひとまず、渡りの方つけといてくれ」「本音駄々洩れですよ、大尉。了解。渡りをつけます」