ラーメン食って・・・
「ここだと思いましたよ。越前先輩」
暖簾をくぐって,ドアを開けてそう言った。

 
 
 
 
カウンターに座って隣と同じようにラーメンを注文する。
越前南次郎は,ラーメンを口一杯にしながら,隣に座ったを見る。
そして,彼の瞳が初めて会ったときに見た緑色から,恐らくカラーコンタクトを入れてるのだと思われる黒色をしているのに,僅かに目を細めた。

 
 
ったく。下らん理由で目の色変えやがって。のヤロウ
 

 
「ふぇ?ふぃふぁーふぁふぉっふぇふぃふぁふぉふぁ?」
・・・言われた言葉に唖然とする
だがそれを理解してしまった自分の頭が怖いと,彼は思った。
「まぁ,一応ですが持ってきましたよ。」
「ふぉうふぁ・・・ふぁっふぉふふぃふぁふぇふぇふぉふぁふぉうふぁふぁ?」
「越前先輩,いい加減口に物を入れて話すのやめません?」
「ふぁーふぉふぃふぁふぃんふぁふぁふぁぁ。ふぉふぇ,ふぁふふぃんふぁ」

 
・・・
これが理解できてしまう俺って・・・

 
 
一体・・・・・・
    なんなんだぁぁ!!

 
 
泣きたくなってきた・・・
いや,マジで・・・

 
「熱いのは分かりましたが,だからって食べながら用件話すこともないでしょうが・・・」
なんでこんな大人になってまでこんな基本的なことを注意しなければならないのか,とは少し怒りを覚える。
「ふぅ。アッツイアツイ。いやぁもうここのラーメン美味いのは美味いんだけど,熱くて熱くて・・・」

 
 
越前南次郎,行きつけのラーメン屋。
大体ここに呼び出される。
で,大抵呼び出しの理由というか,用件は・・・

 
 
「今度は何を聞きたいんです?」
「ん?ちゃんご推薦の曲でも,要はなんでもいいよ。それよりも,なんで目の色違うのかな?ちゃん?」
そういう越前の目は,笑っていなかった。

 
 
・・・しまった。
コンタクト,付けっぱなしだ。

 
 
 
「すみません。付けっぱなしで来てしまいました。外しましょうか?」
「そうしてくれ」
「その前に,ラーメン食わしてください・・・」
ズズズッ

 
 
 
 
 
 
 
「で,なんで寺なんですか・・・」
まぁ,別にいいや。
どうせどこで弾いたって同じだし。

 
ギターを抱えて,石段に座る。
指板の上を,指が走る。
外用のギターを持ってきて正解だったなと,は密かに思った。

 
 
 
呼び出しを食らうときは,大抵越前先輩が暇なとき。

 
『だって,のギター滅茶苦茶上手いじゃん。だからま,BGM代わりだな』
とハッキリ言われて以来,こうしてこの人が暇なときに呼び出しを受ける。
なんとかならないかなぁといつも思うけど,半分諦めてる自分がいたりするわけで・・・

 
などと考えていると,不意に越前先輩から声が掛った。
ちゃんよ。『先生』ってヤツは楽しいか?」

 
 
ザワッ
 
風が吹いた。
見上げた先にあったのは,真剣な眼差しを宿した瞳。
これは,中途半端な答えじゃ逃げられそうにない・・・よな?

 
 
 
 
 
 
 
「楽しいですよ?実際生徒と接してると楽しいし,それにあいつ等も色んなこと考えてぶつけてきますからね。新しい見方・視点・驚かされることも多々あって・・・なんか俺まで教わってる。そんな感じですかね」

 
その答えを,どう感じたのかには分からないが,一瞬目を伏せて次に見せた越前先輩の満足したような表情に,は瞳で『満足ですか?』と問うてみた。
だが越前先輩はそれには答えずに,リクエストを出した。

 
 
 
 
 
 
「なんか,一曲弾いてくれ。ゆっくりしたもんがいいなぁ」

アトガキ
ふう・・・どこか中途半端ですが・・・
2017/07/17 書式修正
管理人 芥屋 芥