補給科の仕事?
きっかけは、一本のメールから始まった。
 
 
尾栗一尉の呼び出しから・・・
 
 
今や、みらい副長・砲雷長・航海長になっている佐官達三人と、一介の一尉である俺が接点を持ったのは、一本のメールからだった。
 
 
 
こちら尾栗。
三人とも酔いつぶれて今に死にそう〜〜〜
至急酒屋○×に来られたし
追伸: 冷たいもの用意しとくように!
 
 
 
深夜に突然鳴った携帯に急いで車を走らせた。
俺が非番だと知ってるのは、上官の一人だった尾栗一尉(当時)
つまり、タクシーを呼ぶのはお金が掛るから、部下で代理をさせようとの魂胆なのだが・・・
車を止めてドアを開けたその向こうの光景に驚いた。
よくもまぁこれだけ飲めるな・・・と、俺は正直に思った。
 
 
 
「こいつ、時渡りの能力あるんだよなぁ〜」
酔いながら後部座席を振り返って後ろでグロッキーになっている角松一尉と菊池一尉に尾栗一尉がそう言った。
こ・・・この人は・・・
「なんていうことを言うんだあんたは!!あれほど念を押したでしょう!?」
 
 
 
 
叫んだ日々が懐かしいなぁ
そーやって考えてみれば、つくづくあの三人とは縁が続いていると思う。
アメリカのイージス艦で経験を積んだ菊池砲雷長とは帰ってきて早々に艦で同じになったし・・・
今や航海長となった尾栗三佐とは『あの時』からの腐れ縁だ。
そして角松二佐
この人とも何度か艦をともにした。
そして今度は三人そろって『みらい』に上艦するときてる。
冗談じゃない。
一尉。手が止まってますよ?」
あ・・・
考え事しながらの作業は効率を低下させる・・・よな。
 
 
 
 
 
「雑務を出港前に全て済ませるように。」
渡されていたリストを見て俺は科員にそう言った。
支援とは言え実弾積むのはまぁよくやることだが、今回はトマホークまで積んでるからなぁ・・・
対地・対艦をそれぞれ二門・計四発
まぁ発射される事態にはならないだろう。
そんなことになれば、国会が転覆する。
「よ。
科員が去ったころ、気安くそんな声を掛けてくるのは・・・
「なんですか尾栗三佐」
「つれないなぁ。なんか、出港前っていうのはあんまやることなくてさ」
そっちがなくてもこっちには色々あるんだ。
「仕事されたらどうですか?航海科にだって色々あるでしょうに」
『神出鬼没の航海長』の異名を持つ尾栗康平三等海佐
その名前は航海科科員の全域に広く知れ渡っているし、我が補給科にまでその異名は浸透している。
そして友人の話じゃ機関科にまで・・・
「なぁ。お前今回のこと・・・」
「そのあだ名は艦の中では呼ばないで下さいって前から言ってるでしょう」
私人としてや市井ならまだしも、ここは艦の中であり、今は公人だ。
私情ははさめない。
「悪かった。じゃぁ一尉、お前・・・」
その言葉は、最後まで言われることはなかった。
「なに油売ってるんだ?」
振り返ると、菊池砲雷長の姿がそこにはあった。
「弾薬の最終チェックのリストをもらいにきたのだが・・・尾栗が油を売ってるとは思わなかったな」
「ちょっと話してただけだって。」
「この忙しい時にか?」
正論だ・・・
流石菊池三佐・・・である。
 
 
「それでは、私はここで失礼します」
リストを渡せば、弾薬関係は第一分隊の管轄になる。
あとは食料品・いざのときのための補給物資・レーションの管理など日用品の細々とした物資
補給艦との連絡・・・
 
そして、あとは出港を待つのみとなった。
アトガキ
筆を止めるのに苦労したよ。
まぁ第一分隊が扱う炸薬・弾薬関係を補給科が感知するのか?って突っ込みはなしでお願いします。
というか,感知しねぇだろうな・・・
そのあたり管理人は『思い込み』で突っ走ってます。実際にあるかどうかはあまり関係ありません。ごめんなさい・・・
でもやっぱり『感知しない』んだろうな・・・
2017/07/16 書式修正
管理人 芥屋 芥