頭と心の関係
「墓に来いなんて言うから、思わず来ちゃったじゃないか・・・」
教えてもらった住所を辿り、墓に向かう。
途中で買った花を挿し・・・
墓の隙間に挟まった白いものに目をやる。
思わず拾い上げると、それは耐水性の封筒だった。
『越前へ』
油性マジックでそう書かれた封筒を思わず開ける。
越前リョーマさまへ
よ。お前のことだから,絶対くるだろうって思ってた。
そう思うんだが・・・忘れてたらそれはそれで悲しいなぁ
って思いながらコレ書いてるんだけどな。
まぁ読んでくれることを願って書いてる。
俺,俺の人生に悔いはないよ?
いやーよくいるんだよ実際。
一々俺のこと『可哀想だねぇ』って言って,同情してくるヤツ。
そんなのお前はしなかったよな?
だからかな。
俺お前のこと好きだったのは。
といっても恋愛って訳じゃねぇよ?
友達としてだ!
んで・・・っと。なんだったかな。うがぁぁやっぱり書きたいこと忘れてるじゃねぇかよ。
そだ箇条書きにしよう。
1.お前に勝負ゴト仕掛けていたのは,俺は自分の病気に勝てないから。
だから,せめて色んなことに勝ちたいじゃない?
ホラ,俺ってお前に負けず劣らず負けず嫌いですから。
2.毎日楽しく過ごすことができたこと,感謝したい。
これ本心な。
これまで色んな学校入ったけど,青学が一番楽しかった。
3.越前,お前はテニスがんばれ。
その時に俺は確実にいないけど,
お前はテニスしてるときが一番良い顔してるって俺は思うぞ?
 
 
 
 
やっぱりすぐ二枚目いくな・・・何故だ・・・
ま,色々あったけど・・・こんなこと書くような俺じゃないんだけど・・・
5.やっぱり俺は死にたくねぇよなぁ・・・
俺に暗い話似合わねぇのお前が一番知ってるだろう?
似合わねぇんだけど,やっぱり・・・自分に負けるのは悔しいっす。
頭じゃ分かってんだ。だけどその奥じゃまだ生きたいって思ってるんだよね。
人間,上手くいかねぇよなぁ。どう思うよ実際。このアンバランスを
覚悟決めて青学選んで,医者から『これが最期だと・・・』そう言われてて
それでも続く毎日を・・・泣きそうになりながら過ごしてた。
日常の何気ない風景が,俺には凄く・・・なんだろう。すげぇことのように思えてくるんだ。
例えばお前がテニスしてる瞬間とか,後輩を指導してるときとか・・・
すごく俺には特別なことに思えてました。
だから,俺も精一杯生きることができました。
それでも・・・これからを生きたいです。
分かってる。俺はお前がこの手紙見てるときはいないんだってことくらい
頭じゃわかってるのにな。一番納得してないのは俺自身なんだよね。
 
 
 
 
 
 
越前,俺の我侭につき合わせて
悪いな・・・



何もいえなかった。
ただ、柄にもないくせに、涙が流れてた。
 
 
封筒の中に小さい紙が入ってて、見ると
ただ一言だけ、書かれていた。
『          』
アトガキ
お題で前編・中編・後編が終わりました。
なんか,急に書きたくなったのです。
完結です。
まぁ,もう何も言いません。てかいえません。しかも途中で自分で書いててないてました。
なにやってるんだか(^^;)
空白部分には,あなたの思いを入れてください。
2017/07/17 書式修正
管理人 芥屋 芥