-その後- >主人公視点<
その後、よくが顔を出すと言う話をマスターから聞いた。
 
 
 
 
学校が違うと、なかなか会う機会がない。
ハズなのに・・・
なんでオレがギターを持って来た時に限って榊先生がいるんだ?
仕方ない。
隅の方で大人しくしてるか。
な〜んて考えが甘かった。
バレバレだ。
薄暗いから、バレないと思ったんだが・・・
軽く音だししてると、
。」
って、後ろから声が掛かったものだから、びっくりしたよ。
「お前、そのキーはなんだ。」
いきなりだった。
「え?えっと。自分はDでやってますけど・・・」
「偶然だな。オレも同じだ。」
え?
疑問に思ったが時既に遅し。
「やるぞ。」
えぇぇ??
その時点で、オレは固まった。
「何を固まってる。さっさと来い」
ボーゼンとは・・・このこと也。
 
 
 
 
まさか。
先生と演奏することになるとは!!!
いや・・・・・・
ま、いいんだけどね。
 
 
 
 
それで、急遽始まったピアノとギターのデュオ。
店に来ていた人たちが、『一体なにが始まったのか』と興味津々で見ていた。
「‥どうしよう・・・」
打ち合わせなんか一切してない。
まるでN.Yのミュージシャンみたいだ。
それでも・・・
今って、飛び入り参加って許されるのだっけ?みたいな
そんな感じでワクワクする。
まるで、試合前な感じ。
この感覚、いつまで経っても忘れられない。
それに・・・
試合とアドリブって、似てると思うしね。
いつ、なにが起きるか分からないし。
「マスター、いいか?」
問われたマスターは、「どうぞ?」と微笑を浮かべながら言った。
「じゃ、任せますね?」
最初は・・・
そのニュアンスが通じたのか、
「お前がやるか?」
って・・・・・・あんたね。
ま、いいや。やりましょう?
そして、オレは最初の音を弾いた。
イントロから、テーマ。
そして、ソロのアドリブ。
う〜ん、久々だからテンポが段々早くなってるけど、この際気にしない。
どうせデュオなんだし・・・
アレ?
『頭』が分かんなくなったぞ?
思って、先生に目線を合わせた。
そしたら、『もう少しで頭だ』っていう音を返してくれた。
なる程。『ソコ』ね。
思いながら、オレの手は休まず音を出している。
じゃ、交代。疲れた。
 
 
 
 
 
「じゃ、マスター。今日はありがとうございました。」 って言ったら、
「さっきの曲、スペインですね。」
だって。
どうしよ・・・
アトガキ
あーあ。
とうとうやってしまった。
ま,いいや。

それにしても,アノ曲をギターで出来るなんて!!って感じですね。
チック・コリアの『スペイン』を題にしてみました。
凄すぎ。
主人公も,榊先生も。

それと,マスターには最後まで言わせなかったけれど,
暗に,
『また来てください。そして,よかったら演奏をお願いします』と言う意味も込められています。

2017/07/17 書式修正
管理人 芥屋 芥