とある会話
「いい加減言ってやったらどうだ。部員も喜ぶと思うがの。」
そういった竜崎先生。
最初俺は、バァさんが何のことについて言ってるのか解らなかった。
が、次の先生の言ったことに衝撃を覚えた。
「何言ってるんですか。ただでさえ目立つことするのは嫌いって言ってるでしょう。
 それに今更10年前の部長です、って言えると思います?」
 
 
 
 
衝撃だった。
確か
10年前といえば名門青学の復活といわれた時代だ。
そのときの部長だって!?
 
 
 
 
更に、
「あの時は偶々運が良かっただけで、別に特別俺たちが強かったわけじゃないですし・・・」
「何を言うかこの昼行灯。全日本やオリンピック協会からもお呼びが掛かっておきながらそれを蹴ったのはどこのどいつじゃ?」
ギロッと先生を睨む竜崎先生。

 
・・・
蹴った?
どーいうことだ?
だが、そんな俺の疑問をよそに、話は進んでいく。
 
「だから・・・嫌だったんですって。目立つのは!その代わり、っていうと咲山に失礼だと思いますが、奴がプロになってるんだからもういいじゃないですか。」
後半の言葉には、どこか拗ねるような口調だった。
その表情には、どこか困ったような・・・
 
それにしても、プロだって?
オイオイオイ、プロって・・・この学校から?
初めて聞いたぞ、そんな話・・・

 
「私は未だに納得はしとらんよ。お前は自己評価が極端に低い。」
腕を組み、呆れたように言う竜崎先生。
「全く。世界に通用した腕で黒板のチョークを持ってるかと思うと情けないと思わないのか?」
ギロリと睨む竜崎先生に少したじろいた様に見えたのに、
 
 
 
 
 
「思いません。」
断言・・・した。
そして竜崎先生の方を向いた、先生の顔。
想いが溢れている、そんな瞳。
それでいて明確な拒否を滲ました瞳。
「俺は、そう思ってません。それは竜崎先生、あなたもよくご存知のはずです。」
 
 
 
 
 
 
 
 
辞めた理由、それは俺には分からない。
バァさんは何か知ってるのかもしれないが、俺は聞く気にはならなかった。
あんな、想いが溢れていてそれでいて苦しそうな顔をする先生に、そんなこと聞けるかよ。
 
 
 
 
男だ・・・
大人の、男だ。
これは、負けてらんねぇなぁ、なんねぇよ。
男して・・・な
アトガキ
こんな感じでも,夢と言っていいものかどうか不明ですが・・・
2017/07/17 書式修正
管理人 芥屋 芥