靴下

 朝から呼び出した陵刀先生に黙って付いて行く我が主人。
「おーい陵刀、一体何なんだよ朝っぱらからよー」
 主人がそう言っても陵刀先生は
「黙ってついてくればいいんだよ」
 というばかりで教えてくれないのだ。


「ここだ」
 と言って、とあるアパートの前で足を止めた陵刀先生。
 そして階段を登っていく。
 二階建ての、ちょっと古ぼけた昔ながらのアパートに一体何の用があるんだろう?
 ドアの前に立って陵刀先生は主人にこういったのだ。
「岩城君、ちょっと靴下脱いで?」
「はぁ?」
「いいから。それとも、朝からここで襲われたい?」
 ズザザザザァァ
「脱ぎます、脱ぎます」
 我が主人ながら情けない。
 そして、そのポケットから取り出したのは鍵。
「お、おい。陵刀それ……」
 主人の制止も振り切って、彼は遠慮なしにドアを開けた。


 その朝、その部屋から大声が響いた。
「くっさぁぁぁぁ〜〜〜!」
「おはよう。よく眠れたかい?」
 そうは言うが、状況を楽しんで大爆笑してる陵刀先生。


 あんたが一番悪魔だよ
アトガキ
昔、ちょこっとだけ上げていたワイルドライフのお題夢・・・陵刀ならこれくらいやりかねん・・・という意味もあったりします
2011/12/28 加筆書式修正
管理人 芥屋 芥