靴下
朝から呼び出した陵刀先生に黙って付いて行く我が主人。
「おーい陵刀、一体何なんだよ朝っぱらからよー」
主人がそう言っても陵刀先生は
「黙ってついてくればいいんだよ」
というばかりで教えてくれないのだ。
「ここだ」
と言って、とあるアパートの前で足を止めた陵刀先生。
そして階段を登っていく。
二階建ての、ちょっと古ぼけた昔ながらのアパートに一体何の用があるんだろう?
ドアの前に立って陵刀先生は主人にこういったのだ。
「岩城君、ちょっと靴下脱いで?」
「はぁ?」
「いいから。それとも、朝からここで襲われたい?」
ズザザザザァァ
「脱ぎます、脱ぎます」
我が主人ながら情けない。
そして、そのポケットから取り出したのは鍵。
「お、おい。陵刀それ……」
主人の制止も振り切って、彼は遠慮なしにドアを開けた。
その朝、その部屋から大声が響いた。
「くっさぁぁぁぁ〜〜〜!」
「おはよう。よく眠れたかい?」
そうは言うが、状況を楽しんで大爆笑してる陵刀先生。
あんたが一番悪魔だよ
アトガキ