Jeg kan ikke glemme det

「なぁトルフィン」
 草の上に座りながら同じ年に生まれたが話し掛けてきて、俺は振り返った。
「なに」
「お前、海に出るのか?」
 というの言葉と、シュッと空を切り裂く音が同時に聞こえた。
 そして俺は、そんなを振り向かずに答えた。
「うん。出る」
 と。
「そか」
「うん」
 そう答えたとき、やっと石が地面に落ちる音がした。
 相変わらず、石を投げるのは上手いよな。
 そう思った。


 そうやって話していたのは、村が平和だったときのことだ。
 だが今は、そんな平和なんてない。
「アシェラッド、帰ってきたら相手をしてもらうぞ」
 こうやって生きていくと、決めたから。
 父の敵であるこのアシェラッドを討つと、そう誓って。



 だから、お前のことも忘れるぞ。
アトガキ
ヴィンランド・サガ。トルフィン
533333ramme Tak du!
2011/12/27 書式修正
2009/07/02
管理人 芥屋 芥