アリア・リンクと分かれた後、帰路についたぼくの後ろから声が掛った。
「ゴーシュ・スェード。君のアカツキへの栄転、おめでとう」
 そう言って笑顔で話し掛けてきたのは同業の

 だった。

Let it BEE
 とは言っても、こいつはもう既にアカツキへの通行証が既に発行されてい、行き来ができるか。
 それを羨ましいと何度思ったか。
 しかしその前に一仕事残っている。
 これを終わらせれば、首都アカツキへの栄転が決まる。
「ありがとう。
 そう答えて、差し出された手を握り返した。




 家へ向かう帰路の途中、二人で話しながら帰る。
「次アカツキへ帰るのはいつだ?」
 と聞くと
「明日だ」
 と答えた。
「それよりも、今回の栄転前に一仕事やるんだって? 気をつけろよ。何せルートの確保すらロクにできてないヨダカの南の端までなんだろう?」
 そう言って、途中買った缶スープを飲んだ。
 相変わらずそういう情報には敏感なヤツだ。
「あぁ。まぁ、いつも通りやれば終わる仕事だ。「テガミ」を届けるのが、ぼくたちテガミバチの仕事なのだから」
「そうだな。お前も俺もテガミバチ。今度会うときは、アカツキだな」
「あぁ」
 そう答えると、は自分の取っているのだろう宿へと帰っていった。
 
 
 
 

 テガミバチ
 それは、このアンバーグラウンドの首都を除いたこの国の町から町へ旅をし
 どんな危険すらいとわず
 国民の大切な『テガミ』をお届けする
 そんな国家公務郵便配達員「BEE」の通称
アトガキ
テガミバチ LetterBEE の小話
2011/12/28 加筆書式修正
2007/01/12
管理人 芥屋 芥