かの者が、カフェテリアの屋外に置かれたイスに腰掛けてコーヒーを飲んでいる。
外国人の嫌いな我輩が、かの者から目が離れない。
何故?
自問しても分からない。
理解できぬ。
だが、気がつけば何故かあの者に視線をやっている。
何故?
あの者の風貌が、その国籍を持つ者からかけ離れているからか?
いや、あの者の国籍が何だろうが、我輩は我輩以外の国籍を持つものは好かぬ。
なら何故……
分からない。
答えなど出ぬ。
ならば……
「隣、座っても良いか?」
そう声をかけると、かの者がこちらを見た。
薄緑の色が、目の前にいる我輩の服の色と相まって少し濃くなっている。
「えぇ」
そう答えたかの者の声は、驚くほど高かった。
あの目が好かぬ。
何色にも染まり、何物にも染まらぬあの目が……好かぬ。
好かぬのだ。
スイス+青学主(国外バージョン)