気になる……アイツ。
俺が転校する、前に転校してきたって噂の、金髪のアイツ。
授業なんかそっちのけで、ずっと空、見てる。
東雲先生もそのことは気付いてるみたいだけど、でも何も言わない。
金の髪 緑の目 金色の耳と尻尾。
まるで金色の猫そのものみたいな……
そんな感じ。
でも、から話することなんて滅多になくて、でも、何故か気になる、アイツ。
ユイコがお節介に話し掛けても、聞いてないフリ。
まるで無関心に、無視を続ける。
ガタッと言わせて席を立つと、そのままカバン持ってドアから出て行った。
「立夏クン。わたし嫌われたかなぁ……」
泣きそうになって言うユイコに
「気にするなよ。アイツ、多分誰にでも『あぁ』だと思うから」
って答えたけど、俺だっていつも目の端で追ってる。
おまけにアイツの周りの空気は……
ちょっと異様だ。
どちらかって言うと、草灯に……似てる。
いや、もしかしたら草灯以上に、異様かもしれない。
だから気になるの?
わかんないよ。
でも、気になるんだ。