『Dolphin Street』
そこは、日々JAZZを愛する人たちが集う場所であり、また日ごろの疲れを話すことによって、好い音楽を聴きながら癒す、そんな空間。
 
Dolphin Street マスターによる、クリスマス録音



ガヤガヤ・・・
店の中は、マスターと常連客が持ち込んだクリスマス用品が所々飾り付けられ、店全体がいつもより華やかに感じられた。
「マスタ、今日これここに飾っていいかい?」
そう誰かが言うと、マスターは笑顔で「いいですよ?」と答える。
 
 
ガチャガチャ・・・
ドコン・・・
そんな音をさせながら、始まった演奏。
前振りを、一切せずにピアノが流れた。
「あ、失礼」
と、カウンターの前を通って入ってた誠実そうな青年と、少し大きめな体をした青年。
そしてそのあとに続く高校生くらいの男の子二人。しかも一人は見事な銀髪の少年だ。
それぞれ少しフォーマルっぽい格好をしてて、それぞれ楽器を持ち、マイクを持ったのはサックスを持ってるヤツだった。
「皆様、年末の忙しい中、お集まりいただき、ありがとうございます。
 今日はクリスマス。心行くまでお楽しみください。それと、ここドルフィンストリートで良い思いでを、また来年の活力にしてください。 皆様、よいお年でありますように。
 それでは一曲目 『クレオパトラの夢』」
その声が終わると同時にカウントが始まった。
ピアノの人が主体の音楽だったようで、ほとんどピアノの人が主旋を取っていた。
 
 
 
 
三曲目のラストで、各自の紹介が入った。
楽器は弾きっぱなしで、音量だけ小さくして。
「On Piano 榊 太郎」
紹介された人の、楽器の音量が上がる。
短いソロを取ったあと、再びサックスの人が口を開く。
「この人はですね、氷帝学園というところの音楽の先生なんです。ちょっと失礼ですが見えないですね。俺的に・・・」
「On Bass  
五人とも、音を最小限にとどめた。
ベースのソロが鳴り響く。
サックスの人に視線を送って、終わりを告げると、
「この子はですね、ここで出会ったんです。で、足りないときなんかついついベース、頼んじゃんですよ。」
そう言うと、君は苦笑いしていた。
「続いて、On Drams   
待ってましたとばかりに、がドラムを叩く。
短かったけど、怒涛のようなソロだった。
「相変わらずスゴイ腕ですね。ちなみに、この人がテンポがずれたの、少なくとも俺は知りません。すごーって、思っていつも聞いてます。」
「On Guiter  
指が、見えない・・・
「この人はですねぇ、青春学園という中学の理科の先生です。ギターの腕、物凄い上手いんでそっちでも食っていけるんじゃ?って思ってますが・・・」
「最後になりました、私・・・On 色々メロディー担当   といいます。よろしくお願いします。1-2-3-4」
テンポにあわせて、がカウントを取る。
 
「しばらく、休憩をいれたあとに、色々こちらからプレゼントをご用意してますので、どうかお受け取りください。それでは10分後」
 
そう言って、それぞれ楽器を置くと皆思い思いのことをした。
「すごかったなぁ」
「せやね。」
「うわ!びっくりした〜」
「なんや、そないに驚かんでもええやん。ひどいわ、忍足君?」
「じぶん、なんで俺の名前知っとるん」
「知っとったらアカンか?」
銀髪の青年・・・なんでこんなに銀髪ばっかり多いねん・・・変やん。
「別にいいけどな。あんたの名前は?」
「なに中学生からかってるのよ、ギン。」
うわ!大人のネェちゃん登場しよった!
なんやねんここ!
一種異様な雰囲気。
「乱菊・・・ま、しゃーないか。」
なにが「仕方ない」んや?
サッパリわからんで?
「ごめんねぇ、うちのギンがからかって。」
「いや・・・別にえぇですけど・・・」
それにしても胸あるネェちゃんやなぁ・・・
自覚しとんのか、しとらんのか。
まーえぇわ。
それよか、どこ居るんや・・・
 
 
「で、相変わらずすげぇよなぁ。俺たちだけじゃなくて、他の連中も連れてきてやればよかったなぁ」
「艦長は?」
「『みらい』で待ってるそうだ」
「楽しんで来い、そう伝言を預かってる。」
「そうですか。」
少し和んだ雰囲気になったとき、の背中をポンと叩く誰かの姿があった。
「君のドラム、すごかったよ。」
めがねを掛けた、少し優男っぽいような、それでいて、どこか凄みを隠しているような・・・
そんな雰囲気を持つ、男の人だった。
隣には15・6歳くらいの少女が付き添っていて、妙にミスマッチしていた。
「あぁ、僕は藍染 惣右介というんだ。はじめまして。君。感動したよ。ありがとう」
それだけ言うと、藍染はそこを去っていったかわりに、少女が
「わ・・・私も、すごいと思いました。次も、楽しみにしてます!」
「ありがとう」
は笑顔になってそう言うと、「じゃ」と、男のもとに歩いていった。
「娘さんかな?」
そうがいうと、
「いや・・・あれはどう見ても・・・」
そこで言葉を切った菊池に対して、続きを言ったのは尾栗だった。
「娘じゃねぇなぁ」
と・・・



 
「で、次なんだけど、先生はどう思うよ。打ち合わせどおりやる?」
「俺はそれでもいいけど、。大丈夫なのか?」
「その辺りは、君とて、機転をきかせてくれるだろう。問題は・・・」
「俺ですか?」
「ま、なんとなるでしょ。センセ、榊先生。時間です。行きましょう。」
 





 
「えーと、時間になりましたので、ボチボチ始めさせて・・・くださいです。
 えーとですねぇ、一部の最後にですねぇ、こちらからプレゼントといいましたが、実はもう既に配ってあります。
 コースターの下に挟んである小さな紙、皆さんご覧になってみてください。その中に、「詩」と書かれた紙を持ってる方は、どうぞこちらに」
アトガキ
続く?
2023/08/05 script変更
管理人 芥屋 芥