「ケケケケケ。お前等はこの俺様に食われて死ぬんだよ。あいつ等同様にな!」
存在証明
迫る虚に、残った檜佐木と!お前、隊長を呼んで来い!」
急にそう言われ、必死になっても叫ぶ。
「ハ・・・ハイ!!」
そう言った隙をつかれ、虚の触手が檜佐木の首を捕らえる。
「グ・・・」
締め付けられ、頭に血を上らせながらも、斬魄刀で切ろうとする檜佐木に更に二本目の触手が巻きつく。
「檜佐木さん!」
に、虚は更に近づいて行く。
シン・・・と、少し探っただけでも分かる、静か過ぎる透明な霊圧。
銀糸の髪がその霊圧によって少しだけ揺れている。
虚は、一定の距離を保った。
それ以上、近づけない。
押さえ込まれている?
こんな・・・下級死神に?
そんなバカな!
「さて、浅打もどきの真似も、やめようか。」
静かに言うと、斬魄刀が変化した。
そして、虚をその静かな瞳ではっきりと捉えると、
 
 
「正式に己の部隊を言うのは、久しぶりですよ。僕は、九番隊第四席檜佐木隊の隊員及び、護廷十三隊零番隊隊長 
 
 
 
 
 
 
 
 
「八万一切後跡と為せ 森羅光玉」
 
 
 
 
 
 
 
 
「気が付きましたか?」
目が覚めると、救護詰め所に寝かされていた。
そして目の前には卯ノ花隊長が、心配そうにさん、あなたは一体何者なのですか。」
少しだけ厳しい目をしてを見る。
その視線を受けてが少しだけ笑う。
「内緒ですよ?僕は、草の隊の者。零番隊の人間です。といっても独りしかいない部隊ですから、別に『隊』と呼べる大仰なものじゃないんですが・・・」
少し照れくさそうに言うに、毒気が抜かれる。
「卯ノ花隊長、このことは他言無用でお願いします。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「こんなところにいたんですね。ー!何サボってやがる!とっととこの書類片付けて来い!」
「は・・・はい!それじゃ卯ノ花隊長。また今度・・・です」
「はい、また今度ですね?」
ニコっと笑う隊長に、引きつった笑顔で返すと、
は判断した。
「卯ノ花隊長。いらっしゃったんですか」
隣にいる卯ノ花隊長に驚いたようだ。
「えぇ。少しに用事があるのか・・・
それはわからなかったけど、気にはなったけれど、でもなんとなく聞けないような気がした。
 
 
 
 
 
 
 
「そもそも、なぜ『草の隊』なのですか?」
用事が終わり、一息ついた頃に卯ノ花隊長はまたやってきて質問をしていった。
「それが僕の存在の理由だからです。」
「では、なぜ平隊員をずっと?」
「危険な任務があまり回ってこないからです。」
「なるほど。わかりました」
「それだけ・・・ですか?」
「えぇ。それだけです」
 
 
 
自分自身で決めたこと。
草で生きていこうと・・・
中から皆を守って見せようと。
実力を隠しつづけることなんて、何ら苦痛じゃない。
それが僕の存在につながるのなら、全然苦痛なんかではありませんよ?卯ノ花隊長。
なぜなら
それこそが
僕の
 
 
 
 
 
 
 
 
 
『存在証明』
アトガキ
存在を消して生きることは難しいので
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管理人 芥屋 芥