「なんか・・・つまらねぇよ」
そう言ってが教室から出て行った。
アイツ、俺のこと気づいてやがる。
だけど何も言ってこねぇ。
なぁ、お前・・・ホントは・・・
衝撃!!
教室を出て、足が自然と向かったのは屋上だった。
なぁ黒崎、お前気付いてんだろ?
自分が虚に侵食されてるって・・・
あぁなっちまったモンは、もう止まらない。
自分の中の虚に食われるか、それを抑え込むかの二つに一つだ。
目を閉じて、少し昔を思い出す。
ザッ
と、いきなり現れたあいつに真っ先に掛けたのは
『どうした!その霊圧!?』
だった。
だって、ありえないくらいに幅がある。
人間レベルから、こいつの死神としての霊圧・・・いや、それ以上の
『なぁ、うち、怖いんや・・・』
『ひよ里、お前!?』
『あかんねん。どう足掻いても、うちの中におる虚に食われそうになるんや。』
『お前、何をやった。言え!』
『虚の力を・・・手に入れたかったんや。理由は例えでも話されへん。せやけど、まさかうちもこうなるなんて思てへかったんや・・・』
虚の力・・・だと?
『お前・・・最近姿見せないって思ったら、一体何やってた!?』
問い詰めても、ひよ里はただ首を振るだけだった。
『なんとかならねぇのかよ』
『あかんねん。それにもう追手が来よる。ほな、さいならは言わんで?また、会えたら会おうな。』
そう言って、あいつは尸魂界から去っていった。
 
 
 
 
 
「そこに居るのは分かってる。真子、いい加減出てこいよ」
とさっきからそこに居て俺を見てた真子に声を掛けた。
「あーあ。やっぱを出し抜くのはちと難儀やねぇ」
と何時もの関西弁で真子はそう言った。
「お前、いい加減黒崎連れて行かないとひよ里に怒られるぞ?」
近づいてきた真子にそう言うと、一気に顔を曇らせた。
「あ゛ーその件については、もうとっくにシバカレとる。てかあんた見てたやろが!?」
と相変わらずのノリと突っ込み・・・
「まーまー。あれはイイモノ見せてもらったよ。相変わらずだな、お前等」
「なぁ。もしあの時ひよ里が抜いとったら、問答無用で死神に戻っとったやろう。」
「「だから」「せやから」とめた「んや」「んだろ?」」
二人の声が見事ハモる。
「だけど井上も茶渡も、ある意味命知らずだよな。特に井上のあの怪我はあの時の破面か。いや、井上だけじゃない。茶渡も、有沢の怪我も・・・そして空手部の意識不明の重体も」
だからか。
黒崎のヤロウ、ヘコんでるのは。
ったく、らしくねぇなぁ全くよ。
「せや」
「まぁ・・・そう言うときもあるさ。」
夜一に怪我を負わせた、あの二体の破面。
いくら瞬閃状態ではなかったとはいえ、恐らくこちらが思っているよりかは強いかもしれない。
ま、それは直接戦った夜一が結論を出すだろう。
外野がいくら言っても、強さなど推し量れはしないからな。
「せやけど、なんでオレが一護の引き込み役せなぁあかんの、なぁ、ちょっと聞いたってぇなぁ」
「あーハイハイ。分かった分かった。でも黒崎を引き込みたいなら、あいつ自身が決めるまで待ってみたらどうだ?」
「ほぉ、それは耳よりな情報って!また待つんかいなぁ・・・難儀なヤッちゃなぁ」
「あいつは、そういうヤツだよ。いくら言葉で説明したって動きゃしねぇ、そんなヤツだよ。黒崎っつう男はな」
「なんやぁそれ。まるっきりみたいな男かいな。そんならまぁ・・・気長に待ってみるかって・・・・・・?」
「あのな、真子!俺と黒崎を一緒にするな!!」
「うっわ、なんやのこの人。やっぱ同類やんけ」
「だから、ど・う・る・い・じゃねぇっつってんだおろうが、話聞けよ真子!」
「わかった、わかった、わかったて。気長に待ってみる!な?」
疲れた・・・なんでこいつと話してるとこんなに疲れんだ?俺・・・
その時だった。
懐かしい霊圧を感じたのは。
 
 
って、この霊圧・・・まさか!?
「ちょっと俺教室戻るわ」
と言って、教室に戻ってみたら、なんか殺戮が起きてるのか?ココ・・・
ってくらい、教室の机やらなんやらが散乱していた。
てか、なんだってお前等が居るんだよ・・・
つうか、あの銀髪のチビと刺青赤毛のアンちゃんとナイスバディの金髪ネエチャンは知らねぇなぁ俺。
ま、あいつ等と一緒にいるってことは、死神には違いないんだろうが・・・
それにしても
「なぁ、なんで赤毛に黒崎のヤロウ抱えられてんだ?」
そうクラスのヤツに聞いたら
---窓から入ってきた見慣れない生徒(女)が黒崎を平手で殴ったあと、黒崎がぐったりした---
らしい。
多分その誰かってのは、朽木(妹の方)だな。
なるほどな、アイツ。死神化したのか。それもこの公衆のど真ん中でかよ・・・
ま、その辺りは尸魂界の技術開発局が作ったあの光でどうせ消すんだろうが、な。
それにしてもあの、見慣れたスキンヘッドは・・・
一角か。
そんでもって、あの女形みてぇな顔してるのが、弓親だよな。
それにしても、なんか一角のヤツ目が据わってるんだけど、お前一体何・・・
と思ったら、なんか木刀振り回してクラスメイトに殴りかかった。
 
 
「あぁ?テメェか!コラァ今ハゲって言ったな!言ったなぁ!!」
と暴れていた。

なるほどな。
頭のことか・・・
そりゃ・・・
「ハゲ」って言いたく・・・ってオイ・・・
ゲェ!!
一角のヤロウ!俺を見た!
「今テメェなんつった?ア゛ァ?!」
オイ・・・怖いよお前・・・
ったく、相変わらず俺の記憶戻してないんですね、隊長!
まぁいいですけど。
って、ゲェ!木刀が目の前に!
ったく、仕方ネェから受ける!
バシッ・・・
「イッタァァァァ!痛いってお前!」
と暴れている最中に銀髪のチビが
「誰かこの位置変わってくれ」
と言っていたのを、俺は聞き逃さなかった。
なるほどな。
あのガキが『隊長』か・・・
って、あんなガキが?!
 
 
 
 
『今の僕は、十番隊にいるんですよ。その人、僕より小さくて、銀髪で。今度そちらに行くから、その時はよろしく。』
 
 
 
 
 
 
 
あんなガキが隊長?
マジですか!あんた(隊長!)
マジ?マジッスか?・・・
 
うそぉーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
 
 
「隙有り!」
ガッ!
 
あ・・・真っ暗
アトガキ
真実は時に・・・
さて,一角と弓親以外の残りの三人に対する主人公の視線の順番にも注目です。
2023/07/21 CSS書式修正
管理人 芥屋 芥