吹き抜ける風に、空をフッと見上げてみた。
夏の涼風
吹き抜ける風に、空をフッと見上げてみた。


寝苦しい夜に窓をカラカラっとあけて、見上げた空は夏の空。
「すげぇな」
思わずそう呟いて、高いところにある一際光ってる星を見上げてみた。
何故か・・・自分は周りの連中とは違う
なぜかは分からない。
でも、違う。
そんな予感・・・いや、確信がずっと拭えない。
わからない。
転校してきた朽木さんが現れてから・・・
黒い服を来た黒崎を、目の端に写すようになってから・・・
あの、怪しい商店に、よく出入りするようになってから・・・
 
 
 
 
 
 
ザワザワ・・・
アパートの庭にある木が、吹いた心地よい風に揺れて枝を揺らす。
「風・・・出てきたな」
窓を閉めようとして、その手が止まる。
 
 
 
 
 
 
 
あんた・・・誰?
 
 
 
 
 
 
 
サン!?」
?」
 
 
 
 
 
 
 
感じたのは一瞬。
紛れもない、彼の斬魄刀の霊圧
まさか、名前を?
 
瞬歩を使い、浦原は走った。
彼のアパートは、既に調査済みですぐに行ける。
そんなことより、もし彼の斬魄刀が彼の制御なしに現れたら・・・
サン、殺されますね」
だが、そんなことはさせないと、紅姫を片手にただ走る。
無事だとイイですケド・・・
などと余裕をかまして思ってみても、心配なのは変わらない。
アパートの手前に来て、浦原は足を止めた。
霊圧は、なくなってない。
だが、この制御しきれていないのだろう圧迫感は・・・
「マズイですね」
そう一言言って、浦原は階段を上り、幸い鍵は掛っていなかった彼の部屋に入っていった。
 
 
 
「おぉぉーい、のヤロウは無事か?」
そう声をかけてきたのは、彼をここまで感化させている張本人・・・の父親。
張本人は現在、尸魂界に行っていて、ここにはいない。
「大丈夫ですよ。気を失っているだけですから。」
ぐったりとしているの体を支えながら、浦原は応えた。
「始解がイヤ、具現化が・・・始まりましたね。このまま卍解まで・・・一気にいくんでしょうか・・・」
「さぁなぁ。ただ、連動してるってことは、そろそろ準備がいるんじゃねぇのか?」
「下準備だけで十分でしょう。それは、一護サンたちが帰ってきてからで、ね」
意味深なことをサラッと目の前の彼は流して言う。
「それにしても、この部屋なんだか涼しいな」
と・・・
「それは・・・上がないからデショ?」
と、こちらもサラッと受け流す。
上?
と、何気に見上げたところにあったのは・・・
「うぁ。空だ・・・」
 
 
 
 
見上げたところにあったのは、天井なんかじゃなく、夜空。
「満天だ・・・って、オイオイ。これあの斬魄刀がやったのか?」
「デショウネ」
「あの斬魄刀の威力、伊達じゃないってことか」
「・・・サン以外が触ろうとすると、まるで空気のように消えてしまう斬魄刀ですからね。『風梗』は」
 
 
 
 
 
 
油断・・・だったのだろう。
完全に気を失っていると、 そのとき、の意識が少しだけあったことなど・・・
浦原はもちろんのこと、彼にだって知る由もなかったのだから・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「・・・風梗?」
アトガキ
うは・・・
続く?・・・続きそう・・・どーしよう。お題で続かせてしまったぞ。
2023/07/21 CSS書式修正
管理人 芥屋 芥