「後悔、しないか?」
恐らく無意識に言った言葉なんだろう。
「お前・・・なんで?」
そう言うと、「え?」と言って言葉に詰まったから。
後悔
「いや、なんでもねぇよ。引き止めて悪かったな」
そう言うと、が不思議そうな顔をする。
そんな顔、するなよ。
話したくなっちまうじゃねぇか。
俺が今死神をやってることも、虚っていうものを倒してってるってことも全部。
「なんだよ黒崎。お前、大丈夫か?」
急に黙った俺に向けて放った言葉。




わかってるんだ。
巻き込めないってことくらい。
だけど、心の中のどこかがザワザワする。
何かをは持っていて、そしてそれが弾けるのを俺は・・・待っている。
ハッ
何考えてるんだ俺は。
に霊感はない。
もしあったら俺には分かる。
「黒崎?」
急に黙った俺にの顔が目の前にあった。
「うわぁぁ!」
思いっきり顔を引いた俺を彼は指差して笑ってる。
「ぶっ!お前・・・なに真剣になってるんだよ・・・わっはっはっは」
思いっきり笑われた。
つられて俺も笑ってしまう。
そうだよ。
とは、これまで通りでいいんだ。
普通に、普通に・・・
例えもしが何かを持っていたって、俺は構わない。
ルキアから死神の力を受け取ったときに覚悟したじゃねぇかよ。
「珍しいよね。二人して何笑ってるの?」
と言って屋上に来たのは啓吾と水色だった。
「おう、小島、浅野!」
俺から覗く形で、ドアから来た二人に視線を移して言った。
「帰ろうよ、もう放課後過ぎてるし」
そう言った水色に
「何言ってるの。夕焼け綺麗じゃん?」
と、フェンスにもたれてが言う。
夕焼けに映えるその表情が、あまりにも自信に溢れていたから。
思わず見とれちまった・・・
「ややや!一護!にもしかして〜?」
と言おうとした啓吾の言葉を遮るようにして
「じゃ、帰るか」
と、が言った。
 


俺は、後悔しない。
この沈み行く夕日のように、真っ直ぐいけるところまで行ってやる。
「早く来いよ黒崎!」
そう言って振り返った
「おう!」
と答えた。
アトガキ
放課後・夕暮れの そんな小話です。
2023/07/21 CSS書式修正
管理人 芥屋 芥