About Death Way
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サン。今から空いてます?」
ホントにチラッと寄っただけだったんだ。
特にコレと言った用事もなかった。
だから
「おう。空いてるぜ?」
って、いつものように応えたんだ。
それがまさかこんなことになるなんて思ってもみなかったけど。
 
 
 
 
 
 
「では・・・ありがとうございました」
と、目の前は門があって、後ろに立つ人たちはお世話になった君をはじめとして、その上司の日番谷隊長さんに、俺がここに来ることのキッカケとなった松本副隊長さんに、市丸。
そして、ここで出会った卯ノ花隊長さんや藍染隊長さん達がいて・・・
そう言ってお礼をすると、日番谷隊長さんが一番最初に口を開いた。
それを話半分に聞いて、の思考は別のところに向いていた。
なんだろう。
穏やかなはずなのに、この・・・妙にピリピリとした『何か』は。
周りだけをみれば、卯ノ花隊長の横に立つ君。
そして、さらにその横に立つ藍染隊長さんから、この「のほほん」とした空気が流れている・・・んだけれど。
でも、それ以上に『どこか』遠いところで、まるで、膜一枚隔てたところではすごくピリピリとした緊迫感が流れているのが、なんとなく分かる。
なんだろう。
ちょっと俺、変なのかな?
そう思った時だった。
「聞いてるのか?
と、話を聞いていなかったのが分かったらしい日番谷隊長さんが不機嫌そうにの名前を呼んだ。
だものだから、思わず
「は・・・はい!」
と、艦に乗っているときのような返事をしてしまった。
う〜ん。
ちょっと艦での生活と言うものは、中々抜けきらないらしい。
というより、今の返事で『聞いていない』と言ったようなものだ。
だが、そこは『上官』の常で、見逃すのが、上官としての・・・なんだろう。
『甘さ』っていえばいいのだろうか。
まぁ・・・俺もよく見逃すからな。
と、そんなことを考えながら、は日番谷の話を今度はちゃんと聞いていた。
要約すると、席官という役職にはまだ入れられないが、どうやら十番隊の隊員になってしまったらしい。
このことで、その時三番隊の市丸が異を言ってきたが、日番谷隊長の
「四十六室の決定だ。市丸」
の言葉で、市丸は異を唱えるのを辞めた。
確か、その機関の意思転覆は不可能・・・だったっけ。
 
 
 
 
相変わらず、この蝶は綺麗だと、思う。
いや、見るのは二回目なんだけれど。
と、肩に止まったその黒い蝶に手を近づけるとその蝶がフワリと舞って手に乗ってきたところで、日番谷隊長が動いた。
「開けるぞ。準備しろ」
どうやら、十番隊員となった俺の面倒を最後まで見るつもりらしい。
、付いてってやれ」
と、君にそう言って、俺についてくるように言った。
「行きますか」
「はい」
隊長に言われ、俺を促す君の後を付いて行く。
トンネルの道中は無言だった。
まだ、そこまで個人的な付き合いがあるというわけでもない・・・からな。
ここでは、まだ新米も新米。
というか、全然・・・だと思う。
なんせ日番谷隊長曰く
――何故か特例として許可が下りた。
   というよりも、こんなことは前代未聞だ
とのこと。
なんだかくすぐったいやら、気恥ずかしいやらで、ムズムズする。
まぁ・・・離れれば離れればで、ここでのことは一つの思い出になっていくんだろうと思う。
忘れられないだろうけど。
それに帰れば、海の上が待っている。
そう言えば明日、準備が開始されるから・・・
仕事だ。仕事。
そう思いながら、トンネルの中を抜けたときだった。
足元が・・・
空の上。
というよりも、ここって!もしかして?!
 
 
「嘘ぉぉぉぉ!!」
 
 
落ちる!!
そう思った。
いや、本気で思った。
だって今、俺・・・死神ってヤツじゃないし!!!
ちょ・・・君!笑ってないで助けて!!
思いっきり焦ってたら、勢いよく何かが覆い被さってきた。
でも地面じゃない。
柔らかくて、薄いものだ。
そして、誰かの声を聞いた。
「おっかえんなさ〜い」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「だから!お前こんなん乗ってどこ行くんだよ!」
叫んでた。
当たり前だろう?
だって、「出かける」って喜助が言うからついてきたのに、空飛ぶ絨毯にいきなり包まれて、それで無理矢理連れて行かされたところは、空中遊泳。
わー・・・楽しいなぁ・・・
じゃなくて!
「一体何処連れて行くんだ、説明しやがれ!」
喚く俺に喜助は余裕の態度で
「行けば分かりますよん」
なんて、でもその『オチャラケタ』口調の中に少しだけ不機嫌さも混じっていたのは・・・
多分気のせいじゃない。
でも、それについては俺は聞かない、喜助も言わない。
だから、それで良いんだと思う。
けど・・・
やっぱ納得いかねぇ。
と思ってたら
サン、うまく受け止めてくださいね」
なんて急に真面目に言い出して、
・・・はぁ?
って思った直後に上から何かが迫ってくる気配。
 
 
 
ボスッ!!
上から人ガ落ちてきた?!
その時喜助が嬉々とした様子で
「おっかえんなさ〜い」
って言ったから、多分・・・人?
でも、誰!?
って思ってたら、フワリと降りてきた感じ慣れた霊圧に言葉を失う。
「た・・・い・・・」
言いかけたところで、スッと隊長が口元に人差し指を当てて『黙れ』の意味を示したから慌てて名前の方を呼ぶ。
・・・・・・なんで?」
というか、もしかしてグル?
なるほど。
だから喜助の野郎不機嫌だったのか。
で、空から落ちてきたコイツ・・・は・・・どなた?
 
 
 
 
 
さんは、さっきまで瀞霊廷にいた人で、うちの松本副隊長と市丸隊長の賭けの対象となってしまった人です」
紹介されて驚いた。
まさかの社会人。それも自衛官、しかも海!
うわぁ。
自衛官なんて、こんな間近で見たの初めてだ。
いや、うん。
街角の募集看板なんかはよく見るけど・・・
それにしても市丸の野郎、一体どこでこんな人拾ってきたんだ?
というか、国防の人がこんなことしてていいのか?
なんて思ったが、正直俺たちもこの人たちと何ら変わんねぇってことだけは、分かる。
対象が違うってだけで。
でも・・・仕事は?
海って、そりゃぁ、なんかイロイロあって忙しいんじゃねぇの?
そう言うと、さんはとても驚いた表情で
「うちの上官も、同じ事を言っていたよ」
そう言って、笑った。
そして、『仕事』に関しては完全にスルーされた。
言えないこと、沢山あるんだろうなぁ。
と、正直思った。
聞きたいけど。
簡単な紹介をした後、隊長はすぐに戻っていった。
後は喜助に任せるらしい。
で、さんはと言うと、しきりに絨毯が通る街並みを眺めていた。
喜助はさんの前では俺に対して何か変なことを言うでもなく、絨毯の操縦をやっている。
時折、さんに現在位置を教える程度にしか口を開かない。
だから、さんの相手は必然的に俺になる。
そりゃぁ、聞きたいことは山ほどある。
護衛艦って、どんな感じ?
とか。
船酔いはしましたか?
とか。
当り障りのない質問にさんは色々応えてくれた。
「あ、ここでいいです」
海の匂いが近くでするアパート前で、さんは喜助にそう言って止まるように言った。
実際、海が遠くに見えて、そこに浮かぶのは・・・
おお
あれが護衛艦かぁ
「ありがとうございました」
「いえいえ。
 ワタシもたまたまヒマだったので、有意義な時間をすごせて楽しかったデスよ」
と、喜助にしてはひどく「マトモ」に返事を返した。
「そう言っていただけると、助かります」
そう言うと、一礼し、飛び降りる。
遠くに見える護衛艦に気を取られていた俺は、慌てて絨毯の上から
「あの!
 また、来てもいいですか?」
と聞いた。
だって、まだまだ全然話し足りん!
見上げた彼が笑顔で
「あまり、ここには居ないけれど。
 それでよければ、また、いずれ」
「あ、俺のことでいいですよ?」
なんて言うと、少し困った様子で
「分かった。君」
 
 
 
姿が見えなくなるまで、彼は手を振りつづけてくれた。
俺も、彼らが見えなくなるまで、その場に立ちつづけた。
だから、気付かなかった。
まさか、『居た』なんて。
しかも三人揃って!?
 
 
 
「なんだか随分長く会ってないような、そんな感じだな。
「おかえり
「なんだ、なんだ
 全然変わってねぇじゃん」
そんなことを口々に言う三人を前にして手を額に当て、足を揃え、こう言った。
 
 
 
 
 
一等海尉、只今帰艦しました」
アトガキ
無事に帰還〜!
長い間,お付き合いくださいまして,本当に本当にありがとうございました。

以下言い訳



2017/07/20 記
ジパングとブリーチの混合夢。
名前変換の数が圧倒的に多いんだけれども、でも最低でもこれだけは本当にしたかったんです。
今見返すと、表現仕切れてないところ本当にたくさんあるなぁと思い返す感じですか。
いやはや

2017/07/20 書式修正
2007/11/10 up
管理人 芥屋 芥