About Death Way
Solt Whirling
――忙しくなる。
あの人はそう言いました。
大昔に辞めてしまったこの行い。
そして、藍染の手の平で踊っていると分かっていつつ、尚楽しめるこのという死神の性格の図太さは、自己完結している分迷惑にはならないけれど、それでもやはり藍染と通じるものがあるような、そんな気さえする。
と、斬魄刀である森羅光玉は思う。
そんな『現在(いま)』を楽しめるという点では、恐らく誰よりも楽しめる『人』なのだろうと思う。
そう思った時に、彼が笑顔でこう聞いてきた。
『できる?』
と。
だから
『分かっていますよ、主上』
 
 
 
 
 
 
一体・・・何が何ナノやら、サッパリだ・・・
まさか、『こんなこと』になるとは予想だにしていなかったは内心焦りまくった。
走りながら刀を抜いたまでは良かった。
でも、その後がどういう状況になっているのかが分からない。
だって、刀を抜いてあの男の名前を叫んだ途端、その刃先が次の瞬間には消えていたのだから驚くなという方が無理な話だ。
今手元にあるのは柄だけの状態で、刃の無い刀で一体全体俺にどうしろと!?
と、は正直そう思った。
その時だった。
彼の声が右隣から聞こえたのは。
――いつの間に?
そう思うが、今はそんなことを聞いている時間はなさそうだったので、寸でのところで聞くのを止める。
君・・・あの・・・コレ・・・どうしたら・・・?」
さっき真っ先に彼を一人置いて逃げてしまったのと、それでもどう状況を判断したらいいのかで、の声は少し躊躇った口調だったが、それでも聞いた。
その声には、戸惑いと少しの後ろめたさが含まれていたが、は頓着せずにニッコリと笑って、
「大丈夫です。
 刀身は今、虚を中と外から斬ってますから」
と言った。
「中と・・・外から?」
「はい。
 どうやら、水流系の斬魄刀で、霊圧の属性は『水』
 うちの隊長と少し性質は似てるのかな?」
だとすれば、卍解時の彼(斬魄刀)の姿は、水神か水龍の姿でも形作るのだろうか。
それとも、また別の『水』に関係する何か別の姿でも取るのだろうか。
今から少し楽しみ・・・ですね。
と、右斜め後ろに立つ斬魄刀である森羅光玉に語りかける。
――主上・・・
半ば呆れ声の彼だったが、すぐに表情を戻した。
 
 
 
 
虚と呼ばれる人達(元々が人なら、彼らは『人』・・・だと思う。・・・多分)が、目に見えない何かで切られていく。
それは時折光の粒を纏っているのが、段々目に見えてハッキリしてきた。
そして一人の虚がその光る粒に埋まってしまい、見る見る内に一山になっていく。
ザァァァァ・・・
と、その粒が退いた後に残されたのは、何も無かった。
斬魄刀を開放したときから発生し続けていた、光る粒を除いて。
その粒をしゃがんで確認すると、塩辛かった。
「塩・・・だ」
と呟いたが答える。
「塩・・・あぁ、海水なんですね」
と。
 
 
 
 
 
 
一体でも倒せたら、それで十分。
とばかりに、今度はが再度刀を抜いた。
は、虚の中の一体を倒した後体がヘロヘロになってしまい動けなくなったからだ。
それに、斬魄刀をどうやったら元に戻せるのかも分からないから、霊圧を開放しっぱなしで霊力の消耗も激しい。
早めに戻さなければ、今度は彼が虚の仲間入りというわけだ。
と言うわけで
「八万一切光跡と為せ 森羅光玉」
その瞬間、光が彼を中心として走る。
次の一瞬後には、その場にいた全ての虚が、消えていた。
それを、消耗しっぱなしで、意識が朦朧となりながらも、は感嘆の表情で見ていた。
やはり『本職』としている人たちは・・・違うな・・・
と。
 
 
 
 
 
 
「えっと・・・さん。
 刀に、力を込めて戻れと言ってください」
ここで戻らなければ、霊圧の残り具合からして、そろそろヤバイ。
出来るならば自分は干渉せず、彼自身の力で戻して欲しい。
そう思うから。
そして、彼ならそれが出来ると、は信じていた。
ヘロヘロになってそれでも何とか座っているは今にも気を失いそうだったが、ここで失っては虚への道が少し拓けてしまう。
それだけは、ちょっと・・・避けたい。
 
 
 
体から力が抜けていく。
ああ
俺、ここで死ぬのか?
と、真っ先に考えたのは、そんなことだった。
でもここって確か、『死んだ後の世界』だろう?
なのに、その『死んだ後の世界で死ぬ』って・・・
ちょっと・・・それ・・・洒落になってないんじゃないのか?
と、沸々と心の中で何かが沸く。
正直座っているのも疲れてきた。
でも、心の中で湧き出した疑問、『死後の世界で死ぬこと』の疑問は、もしここで『死んだ』ら、どうやって解消すればいい?
!」
失われていく意識の中、君とは違う、誰かの声が聞こえる。
「儂を戻せ、。誰かを守りたいなら、戻せ。
ソイツは、俺にとって最高に効く言葉を言った。
 
 
 
 
自・・・衛・・・隊・・・を・・・
「・・・ナ・・・メン・・・って」
柄を握る手に力を込める。
「自・・・衛隊・・・なめん・・・な・・・」
法に、政治家に振り回されっぱなしだけど、それでも!
 
 
 
 
 
 
「自衛隊 なめんな、クソッタレ!!
 戻れ!潮止!!」
アトガキ
時事加えてみた
2017/07/20 書式修正
2007/11/01 up
管理人 芥屋 芥