About Death Way
The Said Occupation
やっぱり、尸魂界ってところにも朝は来る……
ま、夜がくるんだから、朝くらいは来るよな。
そう思いながら、いつもの行動を済ませる。
何時もの行動……艦でやってることだ。
つまり、寝床の整理……つまり片付け。
 
 
 
 
 
結局、いる場所は違うがやってることはいつも艦にいる間となんら変わらない。
起床後、寝所整頓。
これだけは(だけじゃないけれど)、なんていうか……教育隊の賜物だ。
さて、これからどうするか。
窓の向こうにある空を見上げて考える。
私物は一切ない(そりゃそうだ)部屋だが、畳のイグサの臭いがどこか懐かしい。
部屋には布団と台があって、台の形は四角で……正しく純和風家屋の中という感じだ。
(艦の中とは大違いだな。それに揺れがない)
そう思ってゴロンと転がると、扉の向うから声が響いた。
さん、起きてますか?」
と。

とりあえず、君の後ろをついて行く。
『ちょっと今からしたいことがありますので、ついてきて下さい』といわれてついて行くことにしたのだけれど……
そこは、なんだかだだっ広いところだった。
なんだか……
そう思って回りを見渡すと、「はい」と言って君が刀を……渡してきた。
「え?」
思わず受け取っちゃったけど、これで……君一体何するの?
「現世じゃ浅打もってこれなかったのですが、ここならそれがありますから、想像しやすいんじゃないかなぁって思いまして。」
そう言って笑う。
「浅打?」
聞くと
「はい。斬魄刀の名前がまだ呼べない下級死神が持つ刀のことです。僕たちの刀には、それぞれの名前があるんですよ。」
あぁ……どっかで聞いたなぁそれ。
確か市丸だったか六日前の、あの朝の出来事の後、少しだけ話したのがそんな内容だったように思う。
「とりあえず、続きです。真似して座ってください」
と言うと、胡坐をかいて自分の刀を横に持って目を閉じた。
俺も、真似して座る。
続き……あの後、上陸したあと、『お前』はどこいったんだ?

 
 
 
また……海だ。
ユラユラと、揺れてる。
海だ。
また、来たのか。 何も、ないな。
ただの海だ。 あの『声』も、聞こえない。
そう思ったときだった。

その流れは、急に来た。
なんで?今までそんな兆候なかったのに
潮の流れが変わった。
速い!
やば……これ。溺れる!
ゴボッ
引きずり込まれた。
落ちていく意識の中、何故かこんなことが頭をよぎる。
……潮の流れ、誰か止めろ……
『そうだ。』
あの時の声が頭に響く。
「お……前!」
途端流れ出る貴重な空気。

ゴボッ……
しくった。
空気吐いた。
や……っば……死ぬぞ俺……
意識を失う直前に見たものは海底にあった

 
門?
 

 
 
 
「……ですか?大丈夫ですか?」
目を開けると、君の顔が目の前にあった。
未だ、頭はボーっとしている。
「あ……えーっと……」
まとまらない思考を懸命に纏めてみる。
「急に倒れたので驚きました。どうですか?気分は」
そう聞かれて
「まぁ……なんとか。無事……」
と答えた。
「無事って。なんだか命の危険があったみたいな言い方するんですね」
と言われて、
「まぁ、そんなところ」と素直に認めると君が驚いた顔をした。

「どうでしたか?斬魄刀には、会えましたか?」
落ち着いた頃を見計らって、君が切り出した。
「う〜ん……会えたような、会えなかったような。なんだか最後に『門』らしきものを見たような気がしたんだけど、よく覚えてない。」
「『門』……ですか?」
と聞いてくる君に
「うん。海底に……ごめん、やっぱりよく覚えてないや。」
そう言ったけど、あの声は間違いなく『彼』だった。
でも、なんで『潮の流れ、誰か止めろ』だったんだろう。
まるで誰かに命令するような口調……
まぁ普段艦に乗っていれば命令口調になってしまうのは避けられないとしても、だからと言ってそれをオフの日に出すことは、あまりしないはずなのに……
「お昼も近いですし、とりあえず……飯にしませんか?」
考えていると、君がそう言ってきた。
「あ……そうだね」
と言って答えた。

 
 
 
「あれ?卯ノ花隊長」
茶屋へ向かう途中、彼女に会った。
確か、君の話では彼女がここの補給・医療担当の第四隊の隊長……さん。
「あら、君」
と言ってこちらを見た。
「そちらの方は?」
と、君に紹介を求める。
俺の仕事について君が言うと、彼女はとても嬉しそうに
「あら」
と言った。

アトガキ
卯ノ花さん、ここで登場!
というか、これはプロットに沿ってますね。ちょい早いような気がしますが。こんなもんでしょう。
まぁ、同じ補給科(補給・医療隊)の隊長同士、恐らく意気投合することもあるかもしれませんね。
2017/07/20 書式修正
管理人 芥屋 芥